今回は岡山さんへ日頃の制作のこだわりについてお聞きしました。
陶芸家 岡山 高大
- 1976年
- 京都市東山区に生まれる
- 1999年
- 成安造形大学造形表現群ファイバーアートクラス卒業
- 2001年
- 京都府立陶工高等技術専門校成形科・研究科終了
- 2002年
- 京都市伝統産業技術者研修本科終了
- 2014年
- 京都市伝統産業「未来の名匠」認定
- 2016年
- 京都高島屋工芸美術サロン 陶展
- 2021年
- 京都高島屋美術画廊 陶to漆二人展亀甲貫入
死ぬまで続けられる仕事
―陶芸を始めたきっかけを教えてください
小さい頃からものを作るのが好きでした。腕の良い骨描き職人さんの工房が近所にあって、よく遊びに行っては飽きもせず手仕事を見ていました。その職人さんに大学進学を勧められ、美術系の大学に入りました。それから試験場や陶工訓練校で基本を学んだ後、(陶仙窯の跡を継ぐという想いはありませんでしたが)家業の生地つくりという窯元の仕事を続けています。一方で、グループ展などで見本作りを兼ねて新しい作品にも挑戦しています。
京焼は技術こそがウリ
―京焼・清水焼の魅力って何でしょうか?
30歳を目前にしたある日、ぐい吞み1200個の生地の依頼を受けました。それをきっかけに五条界隈の陶芸家さんと交流を重ねるようになると、彼らが自分とは違って、清水焼に対する確固たる自負や自信をもっていると感じるようになりました。清水焼の特徴を説明するより、自分たちが作っているのが京焼・清水焼で、その技術が「ウリ」なんだと。そして、器以外でもどんな注文をされても京焼・清水焼だったら対応できる。その技術を持っていなければならない、と。
重さと高台
―作陶において大切にしていることを教えてください
京焼・清水焼を作っているという意識は正直ないのですが、これ(私の作るやきもの)も京焼・清水焼なんですね、と思われる仕事を一番に心がけています。特に、京都の中で恥ずかしくないやきものを作っている自負として、「重さ」と「高台のつくり」に自信を持っています。器を持った時に、お客様が想像していたより少し軽いであろう重さに仕上げ、また、器の裏面である高台にまで気を配っています。
また、その成形の上に施す「三島手」が僕の作風の基本で、その技法を使って色彩や彫りを施すことで広がりが生まれます。
ふくら雀について
―岡山さんの個展で亀甲貫入に魅せられて「雀のご縁」をお願いしました
この時は素焼きで雀を預かったので、亀甲貫入に仕上げました。次回2羽目の雀には、三島手で新しいチャレンジを考えています。また、こちらのふくら雀のように、同じ形で色んな京焼の技法を表現する企画はとても面白いと思います。
―ありがとうございました。 今回は岡山さんへインタビューさせていただきました。
オンラインショップ「ありくkyoto」にて、岡山さんに彩られたふくら雀「香すずめ~亀甲貫入~」を取り扱わせていただいています。
ぜひ一度他のアイテムと共にご覧ください。