お客様、お友達の分それぞれ器を変えてテーブルに並べると、
それだけで空気を華やかに変えてくれる色とりどりの小皿たち。
鈴カステラとゼリービーンズで
虫やしない(京都弁で空腹をしのぐ食事のこと)にいかがでしょうか。
取り皿としてもお使いいただけるので、
用途は無限大ですよ!
見込み(料理が盛り付けられる部分)のサイズ・形状でくらべる
種類で分けると「鉢」に属する器を今回は主に使用しましたが、お皿でも「三島手八角深皿」のように、縁が立ち上がっている形状だと便利に使い回せます。形状によっては皿と鉢の使用境界が実は曖昧な事に改めて気づかされますが、見込みの平面が広いと食材によっては座りが悪いかもしれないですね。
あとの4つは、押したり伸ばしたりの変化を加えていますが、基本は丸くロクロ成形した鉢です。
「三方押し麦わら手鉢」のようにフォルムに大きな動きを加えると器の余白が料理を引き立たせます。
芋蛸との相性はこの中で一番かもしれません。
一方、やや小ぶりな「銀彩焼〆鉢」や「染付隅入四君子向付」は深さがあるので、小さくても量が入ります。
また、「イタリアンな鉢」は全体からすると使える部分は小さく(口径8cm高さ5cm)ぐい吞みくらいの大きさで少量しか入りません。メイン料理には使い辛く、少しのパスタや前菜の器で、家庭向きではないようですが、意外に芋蛸が似合いました。
原料でくらべる
上の3種類は陶器、柔らかな味わいがある土が原料です。土と言っても種類は配合によって多種あります。
その上、釉薬との掛合わせで無限の可能性があり、陶芸家にとっては興味の尽きないところです。
素朴な芋蛸は料理の色が地味ですから、この3種類の陶器に品よく馴染んでいます。
下の2つは磁器、白と染付は不動の人気があります。硬質で汚れにくい点もポイントです。
キリっとした潔さが芋蛸の存在感を押し出している印象があります。
器の模様でくらべる
「イッチン唐草小皿」
平らなお皿の回りにしっかりと立ち上がりがあり、その部分にイッチンで唐草が描かれています。そのため、マットな釉薬のかかり方が平らな面の部分と立ち上がり部分で自然な濃淡が出来ていて、全体はマットな印象なのに所々が光っている面白みがあります。
「鳥獣戯画4寸皿」
一度ファンになればもうコレクターの道まっしぐら!中毒性の高い【鳥獣戯画】シリーズです。
松斎窯の鳥獣戯画たちと
愉快なひとときをどうぞお楽しみくださいね。
器を変えるだけで、いつもの料理を新鮮に感じる事ができます。魯山人曰く、器は料理の着物だそうですから、楽しみながら衣替え(器替え)に挑戦してみてはいかがでしょう。新しい発見があるかもしれません。